
声明
私たちは、HYBEおよびBIGHIT MUSICが被害者および性暴力サバイバーを尊重し、社会的責任を果たすために改善策を講じるべきだと考えています。
この抗議は、チョン・バビ氏が関与した楽曲を再収録することによって、HYBE、BIGHIT MUSIC、およびBTSが性暴力軽視に加担することを懸念し、行われてきたものです。
2022年5月、BTSのアンソロジーアルバム「Proof」のトラックリストに、チョン・バビ氏が関与した楽曲が含まれていました。該当の楽曲は2020年2月発売のアルバム作品で既にリリースされていたものですが、「Proof」のトラックリストが発表された時点でチョン・バビ氏の性暴力の疑いが公になり、氏も一部暴行を認めていました。
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多くの場合、性暴力は密室で加害者と被害者しかいない状況下で起き、目撃者もいません。被害者は精神的・肉体的ダメージから、被害の告発が困難な場合も多く、密室で目撃者がいない場合は被害を立証することも困難です。さらに、加害者は社会的立場を利用し、事件化しても優秀な弁護士を雇うことで加害者にとって裁判を有利に進める場合が多いです。また、被害者は性暴力被害によってこれまで通りの社会生活が困難になるのに対し、加害者は十分な反省を伴わないまま社会復帰出来てしまう現状があり、この社会では性暴力が軽視され続けているといえます。
HYBEおよびBIGHIT MUSICは、チョン・バビ氏の関与した楽曲を収録することによって、性暴力の疑いがあったとしても社会的地位に影響を及ぼさず、損害にもならないことの新たな実例を作りました。また、2023年5月にメンバーが参加した映画のOSTには、過去に性暴力加害で有罪になった人物も参加しています。このことから、HYBEおよびBIGHIT MUSICは性暴力を軽視していると捉えることができます。
2023年11月発売の「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE in THE US」から、チョン・バビ氏の関与した楽曲は除外されましたが、「Proof」に氏の関与した楽曲が収録されてから今日までの間、なんの声明もない現状において、HYBEおよびBIGHIT MUSICは現在も性暴力軽視に加担しているといえます。
また、BTSはUnicefとパートナーシップを結び、#ENDviolence キャンペーンを進めてきました。このキャンペーンは、子どもたちに対するあらゆる暴力の根絶を目指すものであり、BTSは自身の影響力を活かして暴力をなくす取り組みを行ってきました。
#ENDviolence キャンペーンを行ってきたにもかかわらず、性暴力を軽視している現状は彼らのこれまでの取り組みと矛盾していることにもなります。
HYBEはすでにグローバル企業として大きな影響力を持っています。HYBEおよびBIGHIT MUSICがこの問題をきっかけに性暴力に対して真摯に向き合い、性暴力に反対することを明言した上で社会的責任を果たすことを求めます。
2023.12.1
NO MORE SILENCE